
フードプロセッサーを使ってのチョコレート作りです。
今回はある実験をしたいと思い、できるだけショートカットで行いました。
カカオ豆からではなく、ローストされ粗く砕かれたカカオニブから始めます。

使用するのは、昨年行われた東京チョコレートサロン2014で購入してきた、
マノアチョコレートのカカオニブ。

カカオの産地はコスタリカ産。
シングルオリジンのチョコレートでも、コスタリカのカカオは珍しいと思います。
ワインを思わせる華やかな香りや、柑橘系フルーツのような爽やかな酸味を持つ上質なカカオニブ。
イベント限定で販売された商品でしたが、今後オンラインショップで扱うかもしれないとのことです。

では、フードプロセッサーを回していきます。
カカオ豆は硬い物質なので、パワーのある機械を使わないと壊れてしまいます。
今まで参加したワークショップではクイジナートを使ってるところが多かったので、うちもこれにしました。

しばらく回すとこのような状態に。
すり鉢ですり潰す作業だと、ここまで来るのに数十分はかかるでしょう・・
砂糖を加えさらに回しますが、動きが重くてうまい具合に回りません。
そこで、本当のガーナチョコレートを作るプロジェクトのやり方を参考に、ドライヤーを使い外から熱風を当てて中のカカオマスを温めます。

すると、カカオバターが溶け始め、動きが良くなりこのようなペースト状になってきました。

それでも均一には混ざらず、ジェラートのような塊が。。笑
さて、ここからが本題。
ある検証をしてみたいので、カカオマスを2つに分けます。
一方は何も加えず、もうしばらく回し続けます。

もう一方には粉末状のカカオバターを加えます。
試してみたかったのは、
”カカオバターを追油することでどれくらい味わいが変わるか”
ここで言うのはハイカカオのダークチョコレートに限定しますが、
世の中のほとんどのチョコレートはカカオバターを加えてあります。
それは流動性をよくし、なめらかさを出すためですが、その一方で、ドモーリをはじめ、カカオマスと砂糖だけで作ってるところもあり、このようなブランドはとにかくカカオの主張が強いです。
最近のBean to Barブランドは、カカオバターを加えず作るところも多くなってきましたし、一度自分なりに比較をしてみようと思います。
カカオ分はどちらも70%の配合。
【1】カカオマス70%+砂糖30%
【2】カカオマス60%+砂糖30%+カカオバター10%
(※カカオバターはカカオ由来の成分なのでカカオ分に含まれます)

カカオバターを加えて機械を回すと、みるみるうちに液状に近くなり、スムーズに回ります。

あっという間にこの状態。
思った以上に流動性に影響がでます。

もうしばらく回すと、よりなめらかになりました。
味以前に、製造工程において加工しやすくなるのは間違いないです。

【1】と【2】をそれぞれ、モールドに流し込みます。

数時間冷蔵庫で冷やして、モールドから取り出して完成。
ではいただきます。
まずは、カカオマスと砂糖で作った方。

口に入れた瞬間からダイナミックなカカオの香り。
ニブでも感じた華やかさがあり、若々しいぶどうを思わせる香り、心地よい酸味など。
苦味も弱くとってもジューシーな味わいです。

次に、カカオバターを加えた方をいただくと、まずは若干の油脂感。
第一印象が圧倒的に異なり、香りの立ち上がりも遅く感じます。
比較すると全体的に軽めな印象を受けますが、一度香りが乗ってくると前者と共通してジューシーな味わい。
くちどけに関しては、ややなめらか。
比較すると口の中でスムーズに溶けるのが実感できます。
ただ、どちらも粒子が粗くざらつきのある食感なので、できればしっかり練り上げてざらつきを感じないレベルでテイスティングしたいところです。
くちどけはもっとはっきり差が出るでしょう。
と、
ある程度、予想通りの結果でした。笑
カカオバターを足すことのメリット、デメリットは分かりやすいと思います。
ダークチョコレートを選ぶとき(特にBean to Bar)、原材料をよくチェックしてみると、そのブランドの目指す方向性が見えてきたりもします。
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