今年のサロンデュショコラは、この方に注目していました。
ショコラ界の重鎮と呼ばれる、ファブリス・ジロット。
1990年には、当時史上最年少の26歳でM.O.Fショコラティエを取得。
チョコレート界では頂点を極めた現在でも、常にクリエイティブに新しいものに挑戦し続け、他のショコラティエ達からもリスペクトされる存在です。
昨年のサロン・デュ・ショコラで購入したセレクションボックスで一番印象深かったのがジロットさんの一粒。
あの味が忘れられず、今年はジロットさんのショコラをじっくりと味わおうと決めていました。
今年のテーマ「JAPON」を表現した新作がこちら。
分かりやすいですね〜。
日の丸と素材の表記。
見た目にも分かりやすい「日本」が表現されていますが、そこにはジロットさんならではのこだわりが詰まっています。
まずは「抹茶」
断面を見ると、液状のものが見受けられます。
これは抹茶のジュレ。
それをミルクガナッシュでサンドしてあります。
昨年、アクアカオという新作が話題になりましたが、その技術を和素材でアレンジ。
じわじわ広がる抹茶の旨味がなんとも贅沢。
半液状のジュレだからこそのみずみずしさは、風味の広がり方も独特ですね。
抹茶と調和するミルクガナッシュも実になめらか。
甘すぎず、微妙なバランスを保つところに職人魂を感じます。
「柚子」
柚子のジュレを柚子風味のミルクガナッシュでサンド。
これぞ日本の味というべき、奥ゆかしい柚子風味。
柚子の美味しさもさることながら、食感の良さも好印象です。
とろっと流れ出そうなのに、ギリギリのところで納まっているジュレ。
相当難しい技術なんでしょうね。
「胡麻」
“胡麻”という素材を選んだのは、千一夜物語に出てくる「開けゴマ」という言葉からだそう。
物語の中では洞窟が開いて宝物が出てくるように、「開けゴマ」イコール日本の発見。
今後も継続的に日本を発見していき、将来的にはもっと日本との仕事に携わっていきたい。
そういった希望も含めた意味合いから胡麻を選んだそうです。
中には、胡麻のプラリネと、エクアドル産カカオを使用したビターガナッシュ。
口の中で調和する胡麻とカカオ。
こんなに胡麻が自然に溶け込むなんて驚きです。
華やかな香りのエクアドル産カカオが広がる中、前に出過ぎず、でもしっかり主張する胡麻。
深いです。
断面からも想像できると思いますが、
ガナッシュのなめらかさとプラリネの弾む食感。
異なる食感のコントラストもこのショコラの魅力ですね。
「生姜」
ブラジル産カカオを使用した生姜のガナッシュ。
まさしく生姜の風味。
カカオが広がる中、程良く酸味もが効いて後味はスッキリ。
すべてに共通しますが、くちどけが限りなく繊細でなめらか。
いつまでも舌の上に置いておきたい気分です。
内容量:8個
価格:4410円