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1880年、フランテェスコ・ボナイユートによって創業された
「Antica Dolceria Bonajuto/アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート」

近代化が進んだ現代のチョコレートとは異なる、古代の製法でチョコレートを作るイタリアのブランドです。


古代製法のチョコレートとは?


イタリアはシチリア島南部に位置するモディカ
世界遺産にも指定されているこの街では、古代の製法でチョコレートが作られています。

16世紀、スペイン王国がアステカ帝国を滅ぼした後、戦利品のひとつとしてスペインに渡ったカカオ。
そしてスペイン人のシチリア統治時代に、彼らによりアステカで行われていたチョコレートの加工技術が持ち込まれました。

その製法は、
原材料はカカオ豆、砂糖、香辛料だけ。カカオバターやレシチンは使用しません。
カカオの香り成分と砂糖の結晶が融けないように、製造工程中は決して45℃以上に加熱をせず、低温のまま全てが均一になるよう時間をかけてゆっくり混ぜ合わせます。
アステカ時代には砂糖は使用していなかったと思いますが、ほぼ昔の製法のまま。
当然テンパリングも行いません。


少し前にドモーリの記事で、”食べるチョコレートの歴史”について触れましたが、19世紀に他のヨーロッパ諸国がたどった大量生産の流れとは別に、あくまで古代の製法にこだわり、長年変わらないのがモディカ地方のチョコレート。
この地域には数多くのチョコレートショップがありますが、その中でも一番の老舗がボナイユートです。

数年前に別ブランドのモディカチョコを紹介しています。
関連記事:チョコレート ディ モディカ エッセンシャル(アンティカ ドルチェリア リッツァ)



通常のチョコレートより溶けにくい?

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まず、見た目が荒いです。
テンパリングをしていないため、決してキレイとは言えない仕上がりです。

初めてモディカチョコレートを知った時は、”溶けにくい”ことが話題になっていました。
当時は深く考えていませんでしたが、その秘密はカカオマスに含まれるカカオバターの結晶にあるのでしょう。

カカオバターには6種類の結晶がありそれぞれ融点が違います。
通常のチョコレートはテンパリングによって、温度を上げ下げしカカオバターの結晶を適切な”V型”に合わせ、見た目もくちどけもキレイに仕上げているのですが、このテンパリングをしない古代製法では、カカオバターは”VI型”で結晶化していると思われます。

ちなみに、各結晶の融点はおよそ、
I型:17℃ II型:22℃ III型:25℃ IV型:27℃ V型:33℃ VI型:36℃

ここについて説明するとキリがないので省略しますが、通常とは構造が異なるため見た目も違いが表れ、そして温度にも少し強いのです。


独特の食感

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口に入れてもすぐには溶けないので、ザクザクと噛んで食べます。

断面からも伝わる通り、砂糖の粒子がそのままです。
ジャリッとした食感に加え、中にはレモンピールが散りばめられているので2重の歯ごたえがあります。

カカオ含有量は65%。
しっかりしたカカオ感がありますが、スッキリしたレモンの香りが前面に。


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同じくボナイユートの100%も食べてみたのですが、断面を見るだけでもはっきりと違い、食べてみるとその食感に驚きました。

モディカチョコレートというと、ジャリジャリ食感の印象が強いものの、砂糖の入らないカカオマスのみの100%は、粒子感がほとんどありません。
ただ、くちどけも香りもとっても重厚です。

珍しいタイプのチョコレートですので、一度体験してみてはいかがでしょう。


名称チョコレート
原材料カカオマス(65%)、砂糖、乾燥レモンピール
内容量50g
原産国イタリア
輸入者(有)ポルコバッチョ
価格1080円(税込)
公式サイトhttp://www.bonajuto.it/giapponese/
販売サイトhttp://c7h8n4o2.shop-pro.jp


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