2015年02月

チュノ 70% ダブルターン&トリプルターン(フリスホルム)

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阪急うめだ本店に現れた夢の売場タブレットチョコレートミュージアム

400種類もあるラインナップの中で、一際マニアックな商品がこちらじゃないでしょうか。

デンマーク発のBean to Barブランド
「FRIIS HOLM/フリスホルム」
「チュノ 70% ダブルターン」&「チュノ 70% トリプルターン」

同じカカオを使い、同じ分量で作られた2枚のタブレット。
さて、この2枚の違いは何でしょう?

実は、
発酵途中のカカオ豆を2回かき混ぜるか、3回かき混ぜるかの違い。

美味しいチョコレートを生み出すには、カカオ生産国での”発酵作業”が必要になります。
発酵方法は地域や農園によって様々ですが、今回のタブレットに使用されるカカオはボックス法(連続ボックス法)5日間発酵作業を行っています。

といわれてもイメージが湧かない方もいると思います。
先日ショコラティエのミッケル・フリスホルム氏に直接お話を聞く機会があり、そのお話を元に図を用意しました。


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この発酵方法は、雛壇状になった複数の木箱で構成され、まずは一番上の木箱にカカオ豆を投入。
数日置いた後、下の木箱に落としていく方法でこれを数回繰り返します。

箱を移し替える際に、中のカカオ豆が反転するので空気が注入されるとともに豆全体が撹拌されて均一な発酵ができる。
ある程度大規模な農園で使用されることの多い発酵方法です。


そこで今回の2枚タブレット。
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まず「ダブルターン」は、この方法で5日間の間に2回ボックスを移し替えてカカオ豆を撹拌。
「トリプルターン」は、同じく5日間で3回ボックスを移し替えカカオ豆をより多く撹拌しています。
フリスホルムの農園では、一度に900kgのカカオ豆をボックスに入れるそうです。


さて、この違いでチョコレートに仕上がったとき、どれだけ味に違いが出るかを食べ比べできるのがこちらの2枚なのです。

発酵方法も発酵日数も同じ。
違いは”2回混ぜるか、3回混ぜるか”



ここで興味を持った方のみ先に進んでください。


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使用するカカオは、ニカラグア産”チュノ”という希少な品種。
2枚とも同じカカオで作られています。

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タブレットの形はボナと同じですね。
ボナは中央にブランドロゴが入っていますが、こちらは無地。
スペースがもったいない気もします。


2枚を並べてみます。
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左の明るい方がダブルターン。右の濃い方がトリプルターン
色がはっきりと違います。

発酵の違いだけでここまで違いがでるものでしょうか。


「チュノ 70% ダブルターン」
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まず感じたのは、まろやかな口あたり。
そしてほのかなナッツ感や、スッキリとした酸味・渋味を持ったフルーツ感。
レモンやグレープフルーツを思わせる味わいでしょうか。
くちどけもスムーズです。


「チュノ 70% トリプルターン」
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口に入れた瞬間、フワッと広がる甘い香り。
この時点で違いは明確です。
ダブルターンよりも香りがダイレクトに響きます。

カシューナッツのような香りに加え、キャラメルやハチミツを思わせる甘み。
70%の割りにとってもスイートな仕上がりで、ダブルターンよりもクリーミーです。

こちらは渋味や酸味がほとんどなく、ネガティブな要素をほぼ感じません。


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面白い2枚ですね。思った以上に違いがありました。

ダブルターンは後味に渋味が残る印象もあったのですが、そのあたりが発酵方法によって取り除かれたりするのでしょうか。トリプルターンはとってもまろやかです。


気になったのは、見た目の色の濃さと、味わいが結びつかなかったので、こちらについても聞いてみると、
少なくともフリスホルムで扱うカカオに関しては、豆の色が明るいものがまろやかとは限らない。
発酵の混ぜる工程、1回目のボックスで何時間置くかなど、各回の時間の違いによっても色も味も変わってくるそうです。(ここにはアルコール発酵、乳酸発酵、酢酸発酵などの時間経過における微生物の働きなどが関係するのでしょうが、私の知識がついていけません。。)

ミッケル・フリスホルム氏は既存の情報などに疑問を持ち、試行錯誤しながら自らの味覚で確かめると言います。その結果導き出されたのが今回の2種類の発酵方法なのでしょう。
ここからは経験したものしか分からない領域です。

ダブルターン/トリプルターン。どちらも個性があって味わい深く、どちらの方法も正解なんだと思います。


焙炒時間やコンチング時間など、より専門的な情報を表記するタブレットが増えてきましたが、発酵の違いを打ち出したのはこちらだけだと思います。


名称チョコレート
原材料カカオ豆、砂糖、カカオバター
内容量各100g
原産国デンマーク
輸入者(有)ぜろななはち
価格各2484円
Webサイトhttp://www.friis-holm.dk/en/


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ピック&ミックス (リンツショコラカフェ)

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こんなに種類が増えていたんですね。

先日、自由が丘にあるリンツショコラカフェへ行ってきました。

広々としたカフェでゆっくりしたのち、リンツショコラカフェの特徴の1つ「ピック&ミックス」を体験。

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ピック&ミックスは、20種類以上のチョコレートを量り売りで購入できるシステム。
お店に用意してある袋に、好きなものを好きなだけ詰めて、レジへ持っていきます。


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 ↑クリックで拡大
昨年あたりから、リンドールの新作を中心にラインナップが一気に増え、より賑やかな売場に。
季節によって限定商品も並ぶので、種類は随時変更になります。


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現在の限定品は、「リンドール バレンタイン」

他にも、リンドールの姉妹品となる「リンツブール
スティック型の「バストンチーノ」
フィオレット」など。

たくさんの種類を一度に食べたい。そんな欲張りな方のためのコーナーです。


少し寄り道して・・
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商品棚を見ると、特大サイズのリンドール

球状の容器に、通常のリンドールミルクが550gも詰まっています。
ピック&ミックスでちょっとずつ詰めるのは面倒だという方は、ぜひこちらを。笑
プレゼントしてもインパクト大です。


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袋に詰めてきました。


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カラフルな包装がとってもきれい。テーブルの上に置いてるだけで画になります。

なにより味のバリエーションが豊富なのも嬉しいですね。

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せっかくなので、バレンタインデー限定リンドールもピックしました。

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外側がミルクチョコレート、中がホワイトチョコレート。

シンプルな組み合わせですが、ミルクの風味が特徴のリンツさん。
ミルクチョコとホワイトチョコのいいとこ取りです。

甘くてミルキーな味わいはバレンタインにもピッタリでしょう。


年々店舗を拡大しているリンツショコラカフェですが、
3月3日(火)、横浜ベイクォーター店 がオープンするそうです。

オープン記念イベントとして、 3月7日(土)、8日(日)の2日間限定で、ピック&ミックスのチョコレートの詰め放題が行われます。

お近くの方はぜひ体験してみてください!


リンツカフェ自由が丘店
住所東京都目黒区自由が丘2-9-2
TEL03-5726-8921
営業時間9時〜20時
Webサイトhttp://www.lindt.jp




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オクマーレ 77 (ドモーリ)

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先日、エクアドル産カカオの「ビクトリア」を紹介しましたが、ドモーリもう一枚の新作が「Ocumare 77/オクマーレ77」

オクマーレはクリオロの品種ではよく聞く名前。他社のタブレットなどで見ることもあります。
こちらに使用されるのは、ドモーリの契約農園、ベネズエラのサンホセ農園で栽培されたクリオロ種”オクマーレ77”。

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チョコレートを選ぶとき、”クリオロ”と表記されたものを見ることも多くなりました。
ただ中には疑わしいものもたくさんあるのが事実。
しかし、ドモーリが提供するクリオロ使用のチョコレートは疑う余地がありません。

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カカオを知るため、ベネズエラで3年過ごすところから始まったドモーリ

創業者のジャンルーカ・フランゾーニ氏は、まず質がよく香り豊かなカカオを探し求め、そして木を農園へ持ち帰って育てます。
例えば、2012年に登場した「グアサーレ」ですが、このカカオに出会ったのは1998年だったそうです。
木を育て、質の良いチョコレートに仕上げるまで10年は必要だと言います。

現在8種類のクリオロ種のチョコレートが発売されていますが、いずれもカカオ農園で発酵などの研究を重ねカカオの魅力を引き出した作品と呼べるもの。
それが本物であることは味が物語っています。

ドモーリのチョコレートはカカオバターを加えていないことが大きな特徴でもありますが、もっと深いところにドモーリの本質はあると思います。


ここに関してはとてもまとまりそうにないので・・
ジャンルーカの取組みなどをまとめた書籍を独自に翻訳し、ブログで公開されてる方がいらっしゃいます。
ご興味ある方はぜひご覧ください。
Voyageur de chocolat

サロンデュショコラ2015のセミナーの様子も詳しくレビューされています。

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原材料は当然、カカオマスときび砂糖のみ。
カカオ分70%のダークチョコレート。色が明るくとっても綺麗です。

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口に入れる前から”ドモーリ”だと認識できる香り。
ドモーリが初めての方でも、圧倒的なカカオ感は実感できると思います。

香ばしいナッツやトーストのような香り。そこから緩やかにフルーティーな味わいに変化していきます。
中盤からは酸味が引き立ちますが、品のある丸みを帯びた酸味。
さらにハチミツ思わせる自然な甘みも続き、クリームを思わせるまろやかさも感じます。

”まろやかさ”
これはドモーリのクリオロシリーズに共通する部分。
先日のセミナーでも、ジャンルーカの作るチョコレートのビジョンとして、
”アロマ”や”余韻の長さ”などに加えて”まろやかさ”を表現したいとおっしゃってました。

それが一番分かりやすいのがチュアオだと思いますが、今回の新作でも十分に感じることができます。

カカオと砂糖しか使っていないのに、ミルクやクリームが入ってる?と疑うほどのまろやかさがあります。
我々の知らない”カカオ”の魅力を教えてくれるドモーリは、これからも時代をリードすることでしょう。


名称チョコレート
原材料カカオマス、きび砂糖
内容量25g
原産国イタリア
輸入者株式会社ノンナ・アンド・シディ
価格756円
Webサイトhttp://www.domori.com


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タブレットチョコレートミュージアム 2015 阪急うめだ本店

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今年もあの売場が帰ってきました!
阪急うめだ本店の「タブレットチョコレートミュージアム」

昨年の感動が記憶に新しいところですが、今年はさらにスケールアップ!
その数、なんと400種類!!

昨年は200種類だったので、倍の規模です。
タブレットミュージアムはバレンタイン博覧会2015の一部なのですが、売場から伝わる情熱を考えると(個人的な好みも踏まえて)、もはやこのスペースがメインでしょう。

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さて、このブログに来られる方はある程度チョコレート/カカオを知っていらっしゃると思うので説明不要かもしませんが、なぜ”タブレット”をここまで推すのか。


まず注目したいのは、チョコレートの原材料である”カカオ”

ここ数年で、カカオ豆からチョコレートまでを一貫生産するBean to Bar/ビーントゥバーが注目されていますが、それも当然の話。

カカオの品種や産地でチョコレートの味は異なりますし、カカオ収穫後の発酵や乾燥作業、そして焙炒、コンチングなど各工程の違いで味は大きく変わってきます。
タブレットはシンプルな作りのためごまかしが効かない分野ですし、そこに作り手の情熱や哲学を感じることもあります。
今まで食べてきて驚きや感動を与えてくれたのは、いずれもカカオ豆からこだわったものばかりでした。
「タブレット」は、カカオの魅力をストレートに味わえる形なのだと思います。


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これらはごく一部です。個別にブースを設けているお店もいくつかあります。


ブランド別のディスプレイだけでなく、カカオの産地別やテーマ別で分けられていたり、チョコレートソムリエさんのおススメが書かれていたりと、チョコレート選びのヒントが至る所に見られます。

とは言え、これだけたくさんあればとても選びきれません。

なんと罪な売場なのでしょう・・笑


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チョコレートを売ってるだけではないのがタブレットミュージアム。

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カカオの木をはじめ、麻袋に入った本物のカカオ豆やBean to Barに使われる小型の機械などを展示。

製造工程を知るとチョコレートに対する視野が広くなります。
知らない方はここで学んでみては。

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祝祭広場前の階段からタブレットミュージアムを眺めてみました。

比較的空いている午前中でこれだけの賑わい。
中央の一角ではイベントも開かれています。


カカオの情熱に引き寄せられ、午後にもう一度訪れるとお客さんは倍増していました。


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会場で配布されているCACAO JOURNALと、チョコレート博覧会2015のカタログ(地下一階で入手)はぜひゲットしておきましょう。

何気なく読んでみたのですが・・・再度会場に足を運ぶことになりそうです。


世界中の上質なタブレットがここまで揃う機会はまずないです。
バレンタインデーのプレゼントだけでなく、自分にピッタリの一枚を探してみてください。


開催期間:2015年1月28日(水)〜2月14日(土)
場所:阪急うめだ本店 9階 祝祭広場
Webサイト:http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/valentine/cacao.html

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ダークチョコレート 78%バー ボリビア (オイアラ)

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デンマーク発のチョコレートブランド「Oialla/オイアラ」

今回のサロン・デュ・ショコラは”ビーントゥバー”に力を入れていたこともあり、会場では例年以上にたくさんのタブレットが見られました。
その中でも、こちらに注目された方も多いでしょう。


オイアラのショコラティエ、ラスムス・ボー・ボイイスン氏は、主に料理人としての経験が長く、地元デンマークでシェフとして修行を積み、フランスの三ツ星レストラン「トロワグロ」へ。
そこでチョコレートへの興味が高じて、リヨンの名店「ベルナシオン」へ行き1年ほど修行。
その後日本で懐石料理を学び、帰国後コペンハーゲンで小さなレストランを開き、その傍らでオリジナルのクーベルチュール作りを開始。
それが発展し「オイアラ」が生まれます。


まず注目したのは、使用するカカオ
”ボリビア産の野生のカカオ”です。

ここでピンときた方も多いはず。
数年前に登場した、エルセイボ・ボリビアヘリテイジ・カカオが同じく野生のボリビア産カカオを使っていました。

同じ場所のカカオかな?と思いましたが、
オイアラは、ボリビアとブラジルとの国境付近で穫れた野生のカカオ。(SDCムック本より)
エルセイボボリビアは、確かペルー寄りの地域だったはず。
どちらにせよ、栽培されたものでなく人の手が加えられていない野生のカカオを使用したチョコレートは大変珍しいと思います。

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オイアラのラインナップは分かりやすく、78%。72%。46%(ミルク)の3種類。
それぞれのタブレットと、キャレ状のBOXがありました。

迷わず、78%のタブレットを購入。


貴重なカカオの風味を生かすため、原材料もシンプルに。
カカオ豆、砂糖のみです。
カカオバターの追油はありません。


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押しが強いですね。

エネルギッシュでたくましい。そんな第一印象。
樹木や土っぽさなど大地を感じさせる香りから、ハーブやフルーツを思わせる香りまで。
酸味や、苦味など何かが突出してるわけでなくバランスもいいです。

舌触りはわずかにざらつきを感じますし、けっして綺麗にまとまっているわけではありません。
ただ、心を引きつける何かがあります・・・

この続きは来年探っていこうと思います。(出展求む)


名称チョコレート
原材料カカオ豆、砂糖
内容量90g
原産国デンマーク
輸入者株式会社エヌツー
価格1944円
Webサイトhttp://oialla.com


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