年々注目度が上がっているブランドといえば、
イタリアの「ドモーリ」
昨年の秋行われた、パリのサロン・デュ・ショコラにて、賞を取ったショコラティエのほとんどがドモーリのチョコレートを使用していたそうです。
”カカオの風味を生かす”という部分においては、他社より1歩も2歩も先を行っていると思います。その秘密を知りたいと思い、ドモーリ創業者のジャンルーカ・フランゾーニ氏のチョコレートレッスンに参加してきました。
会場は、ドモーリの販売元である「Nonna and Sidhi Shop」さん。
コンパクトな店内なので、少人数かつ近い距離でお話を聞くことができました。

内容は、カカオについての話から、チョコレートのテイスティングなど。
結論から言うと、想像以上に深い内容でした。
まず、驚いたのは、
カカオの「産地」ではなく、「遺伝子」が重要であること。
ジャンルーカさんのお話によると、
チョコレートのクオリティを決めるのは、
50%が遺伝子。25%が発酵。15%が焙煎。
残り10%がコンチングなど、その後の過程。
つまり、カカオの味は地域によって左右されるのではなく、カカオが持つ遺伝子によって変わるといいます。
ある程度条件の揃った場所であれば、カカオの味は遺伝子に依存すると。
それを実感できたのは、クリオロ種6種アソートのテイスティング。

ベネズエラにサンホセ農園というドモーリの契約農園があり、この6種の内ジャヴァブロンド以外の5種類はそこで栽培しているとか。
各地で穫ってきたカカオの木を、この農園へ持ち込み接ぎ木をして増やしているそうです。
食べ比べると、同じ農園で作っているにも関わらずカカオの風味の違いは明確。
驚くほど味に差があります。
遺伝子はカカオポッドにも表れるそうで、
今まで見た写真だと、熟し加減で黄色や赤、赤紫などに変化すると思ってましたが、中には色の変化しないカカオポッドもあるらしく、あの有名なチュアオは熟れた状態でも緑色のままだそうです。
更に一歩踏み込むと・・・
一般的にシングルカカオのチョコレートには、カカオの産地名が表示されています。
これは本質的なところから言えばそれほど意味がないらしく、先程の話だとその土地だからこういう味になるということではなく、あくまで木の種類(遺伝子)によって味が決まるから、本当は木の名前でもいいと。
ただ、それだと伝わりにくいし、他に代わる言葉がないから土地の名前を使ってるという話でした。
これ深くないですか?
正直、度肝を抜かれました。
その他にも興味深い話がたくさんあり、
一部をまとめておきます。
ジャンルーカ氏がすべて管理し、指導しているという発酵。
カカオ豆の入ったボックスを48時間でひっくり返し、酸素を加えて、それを通常は5日ほど繰り返すそうです。
この発酵期間も品種によって変えているらしく、アッリーバは3日。アプリマックだと7日間。
クリオロ種は全体的に3日間でOKだそうです。
発酵させすぎると腐ったような匂いがつき、逆に発酵が足りないと酸味や渋味が残ります。
たまに、嫌な酸味を感じるチョコレートがありますが、それは発酵が足りていないということでしょう。
次に乾燥。
発酵できたカカオ豆を、天日干しで4日ほど乾燥させるそうですが、種類によっては酸味を残すため48時間で終わらせることもあると。
機械を使うより、時間をかけてゆっくり乾燥させるのが良いそうです。
焙煎に関しては、以前見た資料では焙煎温度は140℃とありましたが、今回のお話では120℃だと言ってました。温度を下げたのでしょうか。
おそらく他社よりも低い設定だと思います。
テイスティングはシングルオリジナル6種とクリオロシリーズ6種をゆっくりと食べ比べ。
チョコレートを五感で味わいます。

何度か食べている味ですが、改めてカカオの個性を感じる完成度の高いチョコレートだと感じました。
そして最後に試食したのが、完成したばかりの新作「グアサーレ」
これがまた・・・・・
新作の紹介は次回にします。
このテイスティングを通して伝わったのは、
”カカオ自体に甘味やフルーツの香りがあるから他の混ぜ物はいらない”
これこそジャンルーカさんが目指したところでしょう。
話の内容は、長年現場で研究されてきたからこその自信に満ちたもので、ここまでカカオを知り尽くした方はいないのでは、と思わされました。
農園で働く人はチョコレートの味を知らないから、発酵や乾燥の重要性を理解できないのが現状。だからこそジャンルーカさんのように、”カカオ”と”製品としてのチョコレート”両方を深く知る人物が必要なのでしょう。
ドモーリの進化はまだまだ続きそうです。
ランキングに参加中!
いつも応援ありがとうございます。

皆様のクリックが励みになります。
イタリアの「ドモーリ」
昨年の秋行われた、パリのサロン・デュ・ショコラにて、賞を取ったショコラティエのほとんどがドモーリのチョコレートを使用していたそうです。
”カカオの風味を生かす”という部分においては、他社より1歩も2歩も先を行っていると思います。その秘密を知りたいと思い、ドモーリ創業者のジャンルーカ・フランゾーニ氏のチョコレートレッスンに参加してきました。
会場は、ドモーリの販売元である「Nonna and Sidhi Shop」さん。
コンパクトな店内なので、少人数かつ近い距離でお話を聞くことができました。

内容は、カカオについての話から、チョコレートのテイスティングなど。
結論から言うと、想像以上に深い内容でした。
まず、驚いたのは、
カカオの「産地」ではなく、「遺伝子」が重要であること。
ジャンルーカさんのお話によると、
チョコレートのクオリティを決めるのは、
50%が遺伝子。25%が発酵。15%が焙煎。
残り10%がコンチングなど、その後の過程。
つまり、カカオの味は地域によって左右されるのではなく、カカオが持つ遺伝子によって変わるといいます。
ある程度条件の揃った場所であれば、カカオの味は遺伝子に依存すると。
それを実感できたのは、クリオロ種6種アソートのテイスティング。

ベネズエラにサンホセ農園というドモーリの契約農園があり、この6種の内ジャヴァブロンド以外の5種類はそこで栽培しているとか。
各地で穫ってきたカカオの木を、この農園へ持ち込み接ぎ木をして増やしているそうです。
食べ比べると、同じ農園で作っているにも関わらずカカオの風味の違いは明確。
驚くほど味に差があります。
遺伝子はカカオポッドにも表れるそうで、
今まで見た写真だと、熟し加減で黄色や赤、赤紫などに変化すると思ってましたが、中には色の変化しないカカオポッドもあるらしく、あの有名なチュアオは熟れた状態でも緑色のままだそうです。
更に一歩踏み込むと・・・
一般的にシングルカカオのチョコレートには、カカオの産地名が表示されています。
これは本質的なところから言えばそれほど意味がないらしく、先程の話だとその土地だからこういう味になるということではなく、あくまで木の種類(遺伝子)によって味が決まるから、本当は木の名前でもいいと。
ただ、それだと伝わりにくいし、他に代わる言葉がないから土地の名前を使ってるという話でした。
これ深くないですか?
正直、度肝を抜かれました。
その他にも興味深い話がたくさんあり、
一部をまとめておきます。
ジャンルーカ氏がすべて管理し、指導しているという発酵。
カカオ豆の入ったボックスを48時間でひっくり返し、酸素を加えて、それを通常は5日ほど繰り返すそうです。
この発酵期間も品種によって変えているらしく、アッリーバは3日。アプリマックだと7日間。
クリオロ種は全体的に3日間でOKだそうです。
発酵させすぎると腐ったような匂いがつき、逆に発酵が足りないと酸味や渋味が残ります。
たまに、嫌な酸味を感じるチョコレートがありますが、それは発酵が足りていないということでしょう。
次に乾燥。
発酵できたカカオ豆を、天日干しで4日ほど乾燥させるそうですが、種類によっては酸味を残すため48時間で終わらせることもあると。
機械を使うより、時間をかけてゆっくり乾燥させるのが良いそうです。
焙煎に関しては、以前見た資料では焙煎温度は140℃とありましたが、今回のお話では120℃だと言ってました。温度を下げたのでしょうか。
おそらく他社よりも低い設定だと思います。
テイスティングはシングルオリジナル6種とクリオロシリーズ6種をゆっくりと食べ比べ。
チョコレートを五感で味わいます。

何度か食べている味ですが、改めてカカオの個性を感じる完成度の高いチョコレートだと感じました。
そして最後に試食したのが、完成したばかりの新作「グアサーレ」
これがまた・・・・・
新作の紹介は次回にします。
このテイスティングを通して伝わったのは、
”カカオ自体に甘味やフルーツの香りがあるから他の混ぜ物はいらない”
これこそジャンルーカさんが目指したところでしょう。
話の内容は、長年現場で研究されてきたからこその自信に満ちたもので、ここまでカカオを知り尽くした方はいないのでは、と思わされました。
農園で働く人はチョコレートの味を知らないから、発酵や乾燥の重要性を理解できないのが現状。だからこそジャンルーカさんのように、”カカオ”と”製品としてのチョコレート”両方を深く知る人物が必要なのでしょう。
ドモーリの進化はまだまだ続きそうです。
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